記録係にはなりたくない。画家に近い感覚で作品を生み出していく

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Photographer:ひろ・あおき

映像制作、イベントビジネスに携わっていた頃、業務の一環として写真撮影を行なっていたもののその後転職、物販の道を歩む。2011年約20年ぶりに写真家としての活動を再開。ショップ経営の傍ら撮影依頼、創作活動を続ける。

【略歴】
2012年春日井市落合公園管理棟1Fロビーにて写真展(個展)開催
2013年東京浅草にて写真展(グループ展)開催
2013年新宿伊勢丹にて作品展示販売
(Creema×伊勢丹 アートフレーム装飾 テーマ:晩夏)
2014年横浜本牧カナリアカフェ ひろ・あおき/山本史子二人展開催

 

ストリートフォトで培った、被写体に一歩入り込む技術

 

昔から「撮り歩き」と称して常々、街歩きをしていました。いわゆるストリートフォトですね。撮ってみたい被写体がいると、声をかけて撮らせてもらうんです。長年そうしたことをしていたので、人に声をかけることにはまったく抵抗を感じません。そんな下地もあり、『People in Srilanka』という作品を撮るために向かった異国の地スリランカでも、日本と同じスタンスで臨むことができました。もちろん言葉の壁などはありますが、性格的なものなのか、スリランカという土地やそこに住む人たちの中に入り込んでいくことは難しくありませんでした。

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 "People in Srilanka" SHOT JAPAN GALLERY

例えば、宝くじ売り場の女性の写真は、片言の現地語と英語で話しかけました。そして、冗談を交えてしばらく話したら「撮ってもいい?」という感じで撮る。これは、一歩入り込めた写真ですね。SHOT JAPANのギャラリー内の扉に使用している子どもの写真は、スリランカに着いたその日の写真です。何かいい被写体がいないかなと探していた時に、物珍しい日本人を見に電車の窓から身を乗り出している子どもを見つけました。この時はあえて大げさにカメラを「撮るよ」というジェスチャーをしたんです。そうしたら、隣の男の子が立ち上がったり、お母さんが笑ったりして、いい空気が作れた。どちらの写真もその人たちに入り込めたという意味で非常に気に入っています。

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 "People in Srilanka" SHOT JAPAN GALLERY

 

何気ない風景を切り取って、アートに変える

 

ほぼ毎日、新作写真をFacebookにアップしています。「art fragments」というこのシリーズは、今までのものとはまた違うスタンスで撮っています。ガレージや階段、ドアノブなど

街中の何の変哲もない所やモチーフの、ある一部を切り取ってアート作品に仕上げてしまうというアプローチです。「Red container」という作品は、その名の通り赤いコンテナが無造作に置かれている写真。これはお気に入りで自分の店のギャラリーにも張ってあります。「66W」というガレージの写真は、影の位置にこだわって撮り直した作品。「Yellow」は、歩道と車道の間の縁石を写したもの。どれも本当に何でもない場所にあるんだけれど、何だかアートっぽい。これがまさにこのシリーズの真骨頂なんだと思います。まだ完成形ではなく、追求している途中なのですが、ある程度カタチになったら作品展を開きたいと思っています。

 

絶対的な個性を出して、スタイルを確立したい

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"woman" SHOT JAPAN GALLERY

2011年に約20年ぶりに写真活動を再開し、プロ宣言しました。写真を撮る時、念頭に置いているのは、記念写真では意味がないという気持ち。だから、そこからもう一歩踏み込んだ写真を常に目指しています。

今後はスリランカのようなストリートフォトも続けていきますし、ポートレイトも続けていきます。それぞれ視点を変えて撮っていければと思っています。でも、正直に言うと、写真家として「これが、ひろ・あおきだ!」というようなスタイルはまだできていないんです。自然の写真も撮るし、ポートレイトや音楽ライブ、アーティスト写真も撮ります。目標は、自分で撮った作品のみを生業にすること。今、愛知で食器の店を経営しているのですが、その一角がギャラリーになっています。いずれは全面、写真のギャラリーにしたい。そのためには、絶対的な個性を出して、ひろ・あおきのスタイルを確立しなくてはいけません。“記録係”にはなりたくないんです。画家に近い感覚で、アートな作品を生み出していければと思っています。

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"woman" SHOT JAPAN GALLERY

抜群の世界観を持つフォトグラファーに注目

 

SHOT JAPANのギャラリーはよく見ています。いい写真を撮るなぁと思ったのは、宇賀地尚子さん。おとぎ話のような写真がすごく好きですね。何より、世界観が抜群です。自分の中に確固とした美しい世界観を持っていて、上手にそれを表現している。僕が撮るポートレイトの世界観も同じような感じです。例えば、女性の写真を撮る時に、どうしたらその人のいいところを引き出せるかなと考える。そして、自分が想像した世界観に被写体を当てはめる。そういった点が宇賀地さんの写真と似ている気がします。

 

 インタビュー SHOT JAPANスタッフ ユミ